ハイヤードライバーの給料は働き方で変わる|車庫番・専属・請負を経験して分かった違い
はじめに
「ハイヤードライバーの給料って、実際どれくらいもらえるの?」
「同じ会社でも、働き方によって収入は変わるの?」
転職を考えるとき、仕事内容と同じくらい気になるのが給料だと思います。
求人票に月給の目安が書いてあっても、自分が入社してからどのくらいの期間でその金額になるのかまでは読み取りにくいですよね。
私はハイヤー会社に入社してから車庫番を経験し、これまでに専属を2社、請負を2社担当してきました。
現在は請負で働いています。
先に結論をお伝えすると、ハイヤードライバーの給料は「残業ありき」で考える必要があります。
そして、その残業がどれだけ生まれるかを決めているものが、働き方によって違います。
車庫番なら、営業所の予約状況と、ほかのドライバーの勤務状況。
専属・請負なら、担当するお客様がどれだけ動くか。
この記事では車庫番・専属・請負の3つを経験した立場から、給料がどう決まるのか、稼ぎたいときに何を見ればいいのかをお話しします。
※給与体系や働き方の運用は会社によって異なります。この記事の内容は、私が経験した範囲をもとにしています。
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ハイヤードライバーの給料は「残業ありき」で考える

残業がなくても受け取れる金額を知っておく
車庫番・専属・請負のどれを経験しても共通していたのは、給料が残業ありきで成り立っているということです。
ハイヤー会社の給与は、固定給に残業代や手当が加わる形のところが多いです。
そしてハイヤーは、お客様の予定に合わせて動く仕事です。
早朝の空港へのお送りや、夜の会食が終わってからのお送りなど、定時の中に収まらない日が珍しくありません。
そのため毎月の給料のうち、残業代が占める割合はどうしても大きくなります。
ここで気をつけたいのが、求人票や面接で聞く月給の目安です。
その金額が、ある程度の残業をした前提の数字になっていることもあります。
入社前に確認しておきたいのは、月給のうち「残業がまったくなくても受け取れる部分」がいくらなのかです。
そこが分かれば、残業が少ない月にどこまで下がるのかを想像できます。
生活費を考えるときも、多い月の金額ではなく、この部分を土台にしておくと慌てずに済みます。
稼ぎたいなら「定時の前後」にどれだけ働くか
では、収入を増やしたいならどうすればいいのか。
私の経験からいうと、ポイントは定時の前後にどれだけ働くかです。
定時の時間内であれば、送迎を何件こなしても、その間待機していても、基本的に受け取る給料は変わりません。
差がつくのは、定時より前に始まる仕事と、定時を過ぎても続く仕事です。
例えば、次のような仕事がそれに当たります。
- 早朝の空港や駅へのお送り
- 朝の早いゴルフ場への送迎
- 夜の会食が終わってからの、ご自宅までのお送り
- 遠方への送迎で、帰りが遅くなる運行
とくに22時以降の深夜の時間帯は割増賃金がつくので、夜遅くまでかかる仕事は収入への影響が大きくなります。
タクシーのように「同じ時間内でもたくさんお客様を乗せれば売上が増え、給料も増える」という仕組みではありません。
ハイヤーで収入を左右するのは、何回送迎したかではなく、何時から何時まで働いたかです。
収入を増やすことは、拘束時間が長くなること
裏を返すと、ハイヤーで収入を増やすことは、拘束時間が長くなることとほぼ同じ意味です。
朝の早い日が続けば、前の晩の過ごし方や睡眠の取り方を考える必要があります。
夜の遅い日が続けば、家族と過ごす時間は減ります。
翌朝の出発がかなり早い仕事なら、泊まり勤務になることもあります。
「とにかく稼ぎたい」のか、「収入はほどほどでも、自分の時間を確保したい」のか。
どちらが正しいということはありません。
自分でちょうど良いバランスを見つけるのが重要です。
ただハイヤーでは、収入と時間がセットで動くということを、入社前に知っておいてほしいと思います。
車庫番の給料は「予約状況」と「ほかのドライバー」で決まる

収入に響くのは、定時の前後にかかる予約
車庫番は決まったお客様を持たず、営業所に入った予約をその都度担当する働き方です。
未経験で入社した場合は、まずこの車庫番から始まることが多いと思います。
車庫番の収入を左右するのは、営業所にどれだけ予約が入っているかです。
ただ、予約の数がそのまま収入になるわけではありません。
日中の予約がいくら多くても、すべて定時の中で終わってしまえば残業にはならないからです。
収入に響くのは、早朝のお迎えや夜遅くまでかかる送迎、遠方への運行など、定時の前後にかかる予約です。
反対に、年末年始やお盆のように企業の動きが止まる時期は予約そのものが減るので、残業も減りやすくなります。
仕事は公平に割り振られるので、一人だけ多くは取れない
もう一つ、入社前には想像しにくいのが、ほかのドライバーの勤務状況にも収入が左右されることです。
車庫番の仕事は、所属しているドライバーにできるだけ公平に割り振られます。
残業のつく仕事が特定の人にだけ集まると、ドライバーの間で不公平が生まれるからです。
そのため「もっと稼ぎたい」と思っていても、定時の前後にかかる仕事を自分だけ多く担当することは、基本的にできません。
営業所に入った定時外の仕事を、その日に出勤しているドライバーで分け合うイメージです。
これは、稼ぎたい人には物足りなく感じる部分かもしれません。
一方で、自分だけ遅い仕事ばかりが回ってくることも起こりにくいので、働く側としては安心できる面もあります。
出勤している人数で、一人あたりの取り分が変わる
公平に分けるということは、分け合う人数によって一人あたりの取り分が変わるということです。
例えば、早朝や夜の予約が同じ数だけ入っていても、その日に出勤しているドライバーが多ければ、自分には回ってこないかもしれません。
反対に、休みを取っているドライバーが多い日は、自分に仕事が回ってくる可能性が上がります。
専属や請負の担当が外れて車庫番に戻ってくるドライバーが重なった時期も、分け合う人数が増えます。
つまり車庫番の収入は、自分の頑張りよりも、営業所全体の状況で上下します。
「それなら車庫番は稼げないのでは?」と感じるかもしれませんが、そういうわけではありません。
予約の多い時期には残業も増えますし、休みの希望が通りやすいという車庫番ならではの良さもあります。
ただ月ごとの波は出やすいので、残業が少ない月でも生活が回るかを確認しておくと安心です。
専属・請負の給料は「担当するお客様の稼働」で決まる

朝が早く夜が遅いお客様ほど、残業は増える
専属・請負になると、給料を左右するものががらりと変わります。
決まったお客様を継続して担当するので、そのお客様がどれだけ動くかが、そのまま自分の残業になります。
営業所の予約状況や、ほかのドライバーの勤務状況はほとんど関係なくなります。
例えば、朝早くからご自宅へのお迎えがあり、夜は会食が多いお客様を担当すれば、定時の前後に働く時間は自然と増えます。
休日にゴルフなどの送迎が入るお客様なら、休日出勤の分も加わります。
反対に、朝のお迎えが遅めで、夕方には会社からまっすぐご自宅へ戻られるお客様だと、ほぼ定時で終わる日が続きます。
早く帰れる日が多いのはありがたい一方で、収入は固定部分に近い金額になります。
働き方の名前ではなく、担当先で収入が変わる
「専属になれば稼げる」「請負は給料がいい」というように、働き方の名前で収入が決まるわけではありません。
同じ専属でも、担当するお客様の動き方が違えば、残業時間は大きく変わります。
私が専属・請負で担当先を経験してきた中でも、収入を大きく左右していたのは、働き方の違いより担当するお客様の稼働状況でした。
また、担当しているお客様の役職が変わったり、契約が見直されたりすると、担当そのものが外れることもあります。
そうなれば、次の担当先が決まるまでは車庫番に戻ります。
今の担当先での収入がずっと続くとは限らない点は、知っておいてください。
月ごとの見通しは、車庫番より立てやすい
専属・請負の良いところは、収入の見通しが立てやすいことです。
私の経験では、担当するお客様の予定は1週間から1か月ほど先まで共有されることが多いです。
朝の早い日や会食の入っている日が先に分かるので、今月はどれくらい残業がありそうかをある程度つかめます。
前日まで仕事が決まらないこともある車庫番と比べると、この差は大きいと感じます。
ただ、会食が長引いたり、予定が追加されたりといった変更は珍しくありません。
見通しは立っても、その月が予定どおりの金額になるとは限らないと考えておく方が現実に近いです。
担当の打診を受けたら、稼働実績から収入を見積もる

打診のときに、おおよその稼働実績を教えてもらえる
専属や請負の担当は、担当先に空きが出たときなどに、会社から打診される形で決まることが多いです。
私の経験では、打診の際にそのお客様のおおよその稼働実績を教えてもらえます。
朝は何時ごろから動くことが多いのか。夜は何時ごろまでかかることが多いのか。休日の稼働はあるのか。
こうした情報があれば、その担当先で働いた場合の収入を、ある程度計算することができます。
打診を受けると「せっかく声をかけてもらったから」と、すぐに返事をしたくなるかもしれません。
ですが返事をする前に、この稼働実績で一度計算してみることをおすすめします。
残業の見込みから、月の収入をざっくり計算する
計算といっても、難しいものではありません。
考え方は次のとおりです。
- 稼働実績から、1日あたりに定時の前後でどれくらい働きそうかを見積もる(始業前の時間+終業後の時間)
- それに月の出勤日数をかけて、月の残業時間の見込みを出す
- 休日の稼働があれば、その分を加える
- 見込みの残業時間に自分の残業単価をかけ、残業がなくても受け取れる金額と合わせる
深夜の時間帯や休日の出勤は割増の率が変わるので、その分を別に計算すると、実際の金額に近づきます。
自分の残業単価が分からなければ、直近の給与明細に載っている残業代と残業時間から、おおよその金額を割り出せます。
ここで大切なのは、1円単位の正確な金額を出すことではありません。
「今の収入より増えるのか、減るのか」「生活に必要な金額に届くのか」をつかむことです。
あわせて、朝何時に家を出て、夜何時に帰ってくる生活になるのかも想像しておくと、収入と時間の両方で判断できます。
条件に合わなければ、断ることもできる
計算してみて、今より収入が大きく下がりそうだと分かった。
あるいは、収入は増えるけれど、拘束時間が長すぎて生活が回りそうにない。
そう感じたときは、打診を断ることもできます。
担当が決まることを優先して何となく引き受けると、あとから「思っていた働き方と違う」と苦しくなりがちです。
一方で、断れば次の打診があるまでは今の働き方が続きます。
次の打診がいつ来るかは分かりません。
今の収入と働く時間、打診された担当先での見込み。
この二つを並べて、どちらが自分の条件に近いかで判断するのが現実的だと思います。
稼働実績は、あくまで過去の傾向
注意したいのは、教えてもらえる稼働実績が、これまでの傾向だということです。
お客様の役職や仕事の状況が変われば、動き方も変わります。
年末年始やお盆など、時期によって稼働が大きく減ることもあります。
計算した金額は「これくらいになりそう」という目安として使い、少ない月でも生活が成り立つかまで考えておくと、引き受けたあとに慌てずに済みます。
担当先の稼働が少ないときは、スポットで補える

担当の仕事の前後に、スポットの仕事を入れることも可能
専属・請負で担当するお客様の稼働が少ないと、早く帰れる代わりに、収入は伸びにくくなります。
そんなときは、担当の仕事とは別に、追加でスポットの仕事をすることもできます。
スポットの仕事とは、車庫番のように営業所に入った予約を、その都度担当する仕事のことです。
担当のお客様の仕事が始まる前や、終わったあとの時間に入れる形になります。
例えば、担当のお客様が夕方には帰宅される日に、そのあとの時間でスポットの送迎を担当する、といったイメージです。
担当先の稼働が少なくても、定時の前後をスポットで埋めれば、収入を補うことができます。
打診の段階で「この担当先だけでは少し収入が足りない」と感じたときも、スポットで補うことを前提に考えれば、選択肢が広がります。
スポットを入れる前に考えておきたいこと
スポットを入れれば、そのぶん1日の拘束時間は長くなります。
収入と時間がセットで動くことは、ここでも変わりません。
また、担当のお客様の予定が急に延びることもあります。
あくまで担当の仕事が優先なので、前後のスポットとの間に時間の余裕があるかは確認しておきたいところです。
スポットの仕事は営業所に予約があってこそ成り立つので、いつでも希望どおりに入れられるとは限らない点も知っておいてください。
担当先の稼働が少ないことは、見方を変えれば「早く帰れる日が多い」ということでもあります。
空いた時間をスポットで収入に変えるのか、自分や家族のために使うのか。
そこを自分で選べるのは、この働き方の良いところだと思います。
働き方別に、給料を左右するものを整理する

ここまでの内容を、働き方別に表にまとめます。
| 比較項目 | 車庫番 | 専属・請負 |
|---|---|---|
| 収入を左右するもの | 営業所の予約状況と、ほかのドライバーの勤務状況 | 担当するお客様の稼働状況 |
| 残業が増えやすいとき | 早朝・夜・遠方の予約が多い時期、出勤しているドライバーが少ない日 | 朝が早く夜が遅いお客様、休日の稼働があるお客様 |
| 自分で調整できること | 少ない(仕事は公平に割り振られる) | 打診の段階で引き受けるかを選べる。稼働が少なければスポットで補える |
| 収入の見通し | 月ごとの波が出やすい | 先の予定から見通しを立てやすいが、担当の変更や時期で変わる |
※私の経験をもとに整理したもので、すべての会社に当てはまるわけではありません。
こうして並べると、車庫番は「営業所全体の状況に合わせて収入が動く」働き方、専属・請負は「担当先を選ぶ段階で、収入と働く時間をある程度選べる」働き方だといえます。
どちらが稼げるかは、時期や担当先によって変わるので一概には言えません。
転職を考えている段階なら、「月にいくら稼ぎたいか」と同じくらい、「朝と夜のどの時間までなら仕事に使えるか」を考えておくと、入社後の働き方を選ぶときの基準になります。
まとめ
ハイヤードライバーの給料は、残業ありきで考える必要があります。
そして、その残業がどれだけ生まれるかを決めているものが、働き方によって違います。
- どの働き方でも、稼ぎたいなら定時の前後にどれだけ働くかがポイントになる
- 車庫番は、営業所の予約状況と、ほかのドライバーの勤務状況で収入が上下する
- 車庫番の仕事は公平に割り振られるので、自分だけ残業を多く取ることは難しい
- 専属・請負は、担当するお客様の稼働状況で収入が決まる
- 担当の打診では稼働実績を教えてもらえるので、収入を見積もり、条件に合わなければ断ることもできる
- 担当先の稼働が少ない場合は、担当の仕事の前後にスポットの仕事を入れて補える
ハイヤーでは、収入を増やすことと、自分の時間を仕事に使うことが、ほぼ同じ意味になります。
だからこそ「いくら稼げるか」だけでなく、「どこまでの時間を仕事に使えるか」を自分と家族で決めておくことが大切です。
その基準があれば、打診を受けたときも、スポットを入れるかどうか迷ったときも、自分で納得して選べるはずです。
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