ハイヤードライバーの働き方は3種類|車庫番・専属・請負の違いと入社後の流れ
はじめに
「ハイヤードライバーに興味はあるけれど、実際にはどんな働き方をするのだろう」
求人を見ていると「車庫番」「専属」「請負」といった言葉が出てきて違いがよく分からないという方もいると思います。
ハイヤードライバーの働き方は大きく分けてこの3つです。
いちばん大きな違いは毎日の仕事を決めるのが「会社の配車」なのか「担当するお客様の予定」なのかという点にあります。
ここが変わると休みの取りやすさ、帰宅時間の読みやすさ、収入の揺れ方、人との関わり方まで変わってきます。
もう一つ知っておいてほしいのは、入社した時点で3つの中から自由に選べるとは限らないことです。
未経験から入った場合はまず車庫番で経験を積み、そのあと専属や請負の打診を受けるのが一般的な流れです。
私はハイヤー会社に入社してから車庫番を経験し、これまでに専属を2社、請負を2社担当してきました。
現在は請負で働いています。
この記事では3つの働き方の違いを比べたうえで入社後に働き方がどう決まっていくのか、自分に合う働き方をどう考えればよいのかを実際に経験した立場からお話しします。
※働き方の呼び方や運用は会社によって異なります。この記事の内容は、私が経験した範囲をもとにしています。
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ハイヤードライバーの1日の流れは、文章だけだと少しイメージしにくい部分もあります。
YouTubeでは図やスライドを使いながら、初心者向けにわかりやすく解説しています。
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ハイヤードライバーの主な3つの働き方

車庫番:会社が割り振る仕事を日ごとに担当する
車庫番は、決まったお客様を持たず、会社が受けた予約をその都度担当する働き方です。
空港やホテルへの送迎、役員の朝夕の通勤だけのご利用など、運行ごとにお客様も行き先も変わります。
一つの運行が終わると営業所や待機場所に戻り、次の配車を待ちます。
私の経験では実際にお客様をお乗せするのは1日に3組前後という日が多く、予約が少ない日は営業所で待つ時間が長くなります。
車庫番の1日を決めているのは会社の配車係です。
専属:ハイヤー会社の車で決まったお客様を担当する
専属は特定の企業の役員などを継続して担当する働き方です。
使う車はハイヤー会社が持っている緑ナンバーの車両で、営業所に出勤して車を出しお客様のもとへ向かいます。
お迎えの時間も、行き先も、退勤の時間も、担当するお客様のスケジュール次第です。
1日の流れを決めているのは会社ではなくお客様の予定ということになります。
請負:契約先の企業の車で、その企業に常駐する
請負はハイヤー会社に所属したまま契約先の企業に常駐し、その企業の車を運転する働き方です。
企業が自社で持っている役員車は白ナンバーの自家用車です。
そのため営業所には出勤せず、契約先へ直行直帰するのが基本です。
車両も契約先によってさまざまで、営業所にはないような高級外車を担当することもあります。
所属はハイヤー会社のままですが、毎日通うのは別の会社なので、まるで転職したかのような不思議な感覚になることもあります。
なお個人で仕事を取ってくるフリーランスという意味ではありません。
お客様の予定に合わせて動く点は専属と同じです。
3つの働き方を表で比べる
| 比較項目 | 車庫番 | 専属 | 請負 |
|---|---|---|---|
| 仕事の決まり方 | 会社の配車 | 担当するお客様の予定 | 担当するお客様の予定 |
| お客様 | 運行ごとに変わる | 決まったお客様 | 契約先の役員など |
| 車両 | ハイヤー会社の車(緑ナンバー) | ハイヤー会社の車(緑ナンバー) | 契約先の車(白ナンバー) |
| 出退勤 | 営業所 | 営業所 | 契約先へ直行直帰が基本 |
| 先の予定 | 前日や当日に決まることが多い | 1週間〜1か月ほど先まで分かることが多い | 1週間〜1か月ほど先まで分かることが多い |
| 休みの取り方 | 希望を出しやすい | お客様の予定に左右される | お客様の予定に左右される |
| 収入の揺れ方 | 会社全体の仕事量で動く | 担当するお客様の忙しさで動く | 担当するお客様の忙しさで動く |
※私の経験をもとに整理したもので、すべての会社に当てはまるわけではありません。
表で見ると専属と請負はほとんど同じですが、毎日の気疲れには意外と差があります。この点は5章でお話しします。
入社してすぐに働き方を選べるとは限らない

求人を見て「専属になりたい」「請負がいい」と考える方もいると思います。
ただ未経験で入社した場合、最初から専属や請負を任されるケースは多くありません。
未経験はまず車庫番から始まることが多い
入社後はまず車庫番で経験を積むのがセオリーです。
専属や請負では、同じお客様の毎日の移動を一人で任されます。
会社としては、時間の守り方や運転、言葉遣い、報告の仕方といった基本を実際の運行で確かめてから、継続して担当するお客様を任せたいはずです。
お客様の側から見ても、毎日の移動を預ける相手には安定した仕事ぶりを求めるでしょう。
ドライバーにとっても、車庫番の期間は回り道ではありません。
いろいろなお客様や行き先を経験するうちに、接遇の基本や都内の地理が少しずつ身についていきます。
私自身も入社当時は都内の土地勘がほとんどなく、走りながら少しずつ覚えていきました。
専属・請負は会社からの打診で決まる
専属や請負のポジションは、担当先に空きが出たときなどに会社から打診される形で決まることが多いです。
希望を伝えておくことはできても、どの担当先に就けるかはそのときの空き状況や会社の判断によります。
また打診を受けたら必ず引き受けなければならない、というわけでもありません。
例えば毎日のように泊まり勤務が続くような担当先なら、その条件で家庭と両立できるかを考えたうえで断る判断もできます。
担当が決まることを優先しすぎず、勤務時間や休みのパターンを確認してから返事をした方があとで苦しくなりにくいはずです。
担当が外れて車庫番に戻ることもある
一度専属や請負になれば、ずっと同じ担当先で働けるとは限りません。
担当している役員の交代や契約の見直し、お客様との相性など、ドライバー本人の努力だけではどうにもならない事情で担当が変わることがあります。
そうなると、次の担当先が決まるまでは車庫番に戻ります。
私にもなかなか担当先に定着できず、収入が安定しない時期がありました。
正直、辞めたいと思ったこともあります。
転職を考える段階では「専属になれば安定する」と思いがちですが、働き方は入社後も動いていくものだと考えておいた方が現実に近いと思います。
▼担当先に定着できなかった時期に考えたことは、こちらの記事に書いています▼
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ハイヤードライバーを辞めたい人へ|収入の不安と家族との両立を考える
車庫番の働き方|休みは決めやすいが、仕事の先は読みにくい

休みの希望が通りやすいのは、代わりのドライバーがいるから
車庫番は3つの中でも休みの希望が通りやすい働き方です。
理由はシンプルで、複数のドライバーで予約を回しているからです。
ある日に自分が休んでも、その日の予約はほかのドライバーに割り振れます。
専属や請負では、お客様の予定がそのまま自分の勤務になります。
自分が休む日は代わりのドライバーを手配してもらう必要があるので、車庫番ほど気軽には休めません。
家族の行事など、前もって決まっている予定を大事にしたい人にとって車庫番の休みやすさは大きな利点です。
ただし希望休の出し方や締め切りは会社によって違いますし、人手が足りない時期は希望が通りにくいこともあります。
入社前に仕組みを聞いておくと安心です。
翌日の仕事が直前まで分からないことがある
一方で車庫番は仕事の先が読みにくい働き方でもあります。
翌日の担当は前日に割り振られることが多く、当日の稼働状況を見て次の仕事が決まることもあります。
朝の時点では夕方に帰れそうでも午後に遠方への送迎が入って帰りが遅くなる、ということも起こります。
休みの日の予定は立てやすいのに、仕事の日の予定は立てにくい。
車庫番を一言で表すと、こういう働き方です。
仕事終わりに予定を入れたい人は、不便に感じる場面があると思います。
反対に毎日違うお客様や行き先を担当することを新鮮に感じる人もいます。
変化があること自体を楽しめるなら、デメリットとは言い切れません。
収入は会社全体の仕事量で上下しやすい
ハイヤー会社の給与は固定給に残業代や手当が加わる仕組みのところが多いです。
その場合月の収入を大きく左右するのは、残業がどれくらいあったかです。
車庫番は会社に入った予約を公平に割り振っていくため、予約が少ない時期は全員の仕事量が減り、残業も減ります。
年末年始やお盆のように企業の動きが止まる時期は、とくにその影響が出やすくなります。
自分が頑張れば仕事が増える仕組みではないので、収入の波は会社全体の忙しさに合わせて上下すると思っておいてください。
専属・請負の働き方|見通しは立つが、生活はお客様の予定に寄っていく

スケジュールが先まで分かるので準備がしやすい
専属・請負の大きな良さは、先の予定が分かることです。
私の経験では、1週間から1か月ほど先までのスケジュールがドライバーに共有されることが多いです。
訪問先が前もって分かれば、ルートや車寄せの位置、待機できる場所を事前に調べておけます。
翌週に早朝の空港送迎があると分かっていれば、前日の過ごし方も調整できます。
急な配車に身構えている必要がないので、気持ちの面でも落ち着いて働きやすくなります。
ただ、予定はあくまで予定です。
会議が延びる、訪問先が追加される、会食が長引くといった変更は珍しくありません。
予定が分かっていても、その日が予定どおりに終わるとは限らない点は知っておいてください。
収入の安定度は、担当するお客様の忙しさ次第
専属・請負は決まったお客様を継続して担当するので、仕事がまったくない日はほとんどありません。
その意味では、車庫番より収入が安定しやすい働き方です。
ただ収入の額を決めているのは、担当するお客様がどれだけ動くかです。
朝から夜まで予定が詰まっている役員を担当すれば残業が増えて収入は上がりますが、そのぶん拘束時間は長くなります。
反対に予定の少ない役員を担当すれば早く帰れる日が増える一方で、収入は伸びにくくなります。
「専属になれば稼げる」というより、「担当するお客様の稼働量がそのまま自分の働き方と収入になる」と考えた方が実態に近いです。
毎日同じお客様と向き合うということ|相性と休日
同じお客様を長く担当すると、よく行く場所や移動の時間帯、車内でどう過ごしたいかが分かってきます。
細かく指示されなくても先回りして準備できるようになり、信頼してもらえる。
これがこの働き方のやりがいです。
その一方で、相性が合わなくても毎日顔を合わせることになります。
運転の仕方や車内の環境について細かい要望が多いお客様だと、気を張った状態がずっと続きます。
どうしても合わない場合は、営業所の担当職員に相談して担当を外してもらうこともできます。
我慢し続けるしかない、というわけではありません。
休日もお客様の予定が優先されます。
土日にゴルフや空港送迎が入れば出勤になることがありますし、自分の都合でどうしても休みたいときは、代わりのドライバーを手配してもらう形になります。
逆に言えばお客様の休みのパターンが決まっていれば、それに合わせて自分の予定を組みやすいという面もあります。
同じ道ばかり走ると、ほかの地域の道を忘れていく
これは、入社前にはあまり想像しない点かもしれません。
専属・請負では行き先がある程度決まってくるので、同じ道を繰り返し走ることになります。
担当業務には慣れていきますが、車庫番の頃に覚えた別の地域の道を使う機会は減っていきます。
その状態が長く続くと担当が外れて車庫番に戻ったときに、以前は迷わず行けた場所への道がすぐに出てこない、ということが起こります。
上記で触れたように、担当が変わる可能性は誰にでもあります。
専属・請負になってからも普段走らない地域の地図をときどき見ておくなど、道の知識を保つ工夫をしておくと安心です。
▼道の覚え方については、こちらの記事で詳しく書いています▼
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専属と請負の差は、送迎の前後に出てくる

表で比べると、専属と請負の違いは「車」と「出退勤の場所」くらいに見えます。
ですが私自身が実際に両方を経験してみると、日々の負担の差は送迎そのものよりも、その前後の過ごし方に出てきました。
請負は営業所を通らない分、人目を気にする場面が少ない
専属では営業所に出勤し、仕事が終われば営業所に戻ってから帰ります。
毎日、職員や同僚と顔を合わせることになります。
請負は契約先へ直行直帰なので、営業所の人間関係に気を使う場面がぐっと減ります。
担当先によっては、ドライバーが自分一人ということもあります。
私個人としては、専属よりも請負の方が気楽だと感じています。
人付き合いで疲れやすい私には、お客様への気配りだけに集中できる環境の方が合っていました。
その代わり、一人で判断して報告する責任がある
近くに同僚や職員がいない分、困ったときにその場で相談できる相手はいません。
予定の確認やルートの準備、車両の不具合に気づくことまで、自分で見ておく範囲は広がります。
判断に迷うことがあれば、自分から営業所に連絡を入れる必要があります。
同僚と話すことが息抜きになる人や、すぐ近くに相談できる先輩がいてほしい人には、専属の方が働きやすいかもしれません。
▼専属と請負の違いは、こちらの記事で詳しく書いています▼
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自分に合う働き方を考えるための3つの問い

休みは「自分で選びたい」か「先まで決まっている方が安心」か
例えば、毎月第2土曜に家族の予定がある人がいたとします(一般的な例です)。
車庫番なら、希望休を出しておけばその日を外してもらいやすくなります。
専属・請負なら、担当するお客様の土曜の予定次第です。
予定が入っていなければ問題ありませんが、入っていれば代わりのドライバーを頼む相談が必要になります。
一方で「休みの日はいつでもいいから、平日の帰宅時間を前もって知りたい」という人なら、先の予定が共有される専属・請負の方が暮らしを組み立てやすいかもしれません。
大事にしたいのは休みを選べることなのか、先の予定が見えることなのか。
ここが一つ目の分かれ目です。
収入で困るのは「額」か「月ごとの波」か
収入の不安にも種類があります。
月ごとの波が不安なら、継続して担当先がある専属・請負の方が見通しは立ちやすくなります。
ただし額は担当するお客様の忙しさで決まるので、収入を増やしたいほど拘束時間も長くなりやすい、という関係は覚えておいてください。
車庫番で働く場合は、閑散期に収入がどこまで下がるかを想定しておくと慌てずに済みます。
疲れやすいのは「人付き合い」か「先が読めないこと」か
人間関係で疲れやすい人には、営業所を通らない請負が合う可能性があります。
反対に同じお客様と毎日向き合うことに緊張する人や、変化がある方が気がまぎれる人には、車庫番の方が気楽かもしれません。
先の予定が分からないことがストレスになる人なら、専属・請負の方が落ち着けると思います。
どの働き方が楽かは、人によって答えが変わります。
自分がどんな場面で疲れやすいかを知っておくと、打診を受けたときの判断材料になります。
転職先を検討している段階なら面接などで次のような点を聞いておくと、入社後の働き方をイメージしやすくなります。
- 入社後はどの働き方から始まるのか
- 給与のうち、勤務時間によって変わる部分はどこか
- 休みの希望はどのように出すのか
- 泊まり勤務や早朝・深夜の運行はどのくらいあるのか
まとめ
ハイヤードライバーの働き方は、車庫番・専属・請負の3つです。
違いの根っこにあるのは、毎日の仕事を決めるのが会社の配車なのか、担当するお客様の予定なのかという点です。
- 車庫番は休みの希望を出しやすい一方、翌日の仕事や帰宅時間が直前まで分からないことがある
- 専属・請負は先の予定が分かりやすい一方、休日や収入が担当するお客様の動きに左右される
- 専属と請負の差は送迎の前後に出る。請負は人目が少ない分、一人で判断し報告する責任がある
- 未経験はまず車庫番から始まり、専属・請負は会社の打診で決まることが多い。担当が外れて車庫番に戻ることもある
働き方は入社時に一度選んで終わりではなく、働きながら変わっていくものです。
だからこそ「どれがいちばん良いか」よりも、「自分は何を大事にしたいのか、どんな場面で疲れやすいのか」を先に考えておくと、打診を受けたときにも迷いにくくなります。
1日の具体的な流れを知りたい方は、働き方別のモデルケースを紹介したこちらの記事もあわせて読んでみてください。
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動画でもわかりやすく解説しています
ハイヤードライバーの1日の流れは、文章だけだと少しイメージしにくい部分もあります。
YouTubeでは図やスライドを使いながら、初心者向けにわかりやすく解説しています。
読んでもまだ迷っている方へ
ハイヤードライバーの仕事内容を理解しても、「実際に自分が向いているか」はなかなか判断しにくいものです。
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