ハイヤードライバーを辞める理由はある。それでも私が現役を10年続けている3つの理由

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はじめに

「ハイヤードライバーって、長く続けられる仕事なの?」

「辞める人も多いと聞くけれど、続けている人は何が違うの?」

ハイヤーへの転職を考えていると、こうした疑問を持つ方もいると思います。

私はハイヤードライバーとして、現役で約10年働いています。

これまで専属を2社、請負を2社経験し、今は請負の仕事をしています。

先にお伝えしておくと、私にも辞める理由はあります。

働き方によって収入が安定しないこと。

拘束時間が長く、帰る時間を自分で決められないこと。

どちらも、実際に辞めたいと思ったきっかけになったものです。

それでも続けているのは、その不満を上回る理由があるからです。

それは以下の3つです。

  • ハイヤーの働き方に慣れて、今さら普通の仕事に戻れる気がしない
  • 普段は入れないような場所に行ける非日常感がある
  • 仕事中に自分の時間を持てるので、家では家族との時間に集中できる

この記事では、私が感じている「辞める理由」と「続ける理由」の両方をお話しします。

ただ、ここに書く続ける理由はどれも条件つきです。

同じ特徴が、人によってはそのまま辞める理由になることもあります。

読みながら「自分ならどちらに感じそうか」を考えてもらえたら嬉しいです。

※働き方や勤務の決まり方は、会社や担当先によって異なります。この記事の内容は、私が経験した範囲をもとにしています。

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私にもある「辞める理由」

まずは続ける理由より先に、辞めたくなる理由からお話しします。

ハイヤードライバーに多い退職理由はいくつかありますが、私自身が本気で辞めたいと思ったのは次の二つです。

働き方によって収入が安定しない

ハイヤーの働き方には、会社が受けた予約をその都度担当する車庫番と、決まったお客様を継続して担当する専属・請負があります。

私はなかなか専属や請負に定着できず、収入が安定しない時期がありました。

収入の不安は、単に「もっと稼ぎたい」という話ではありません。

家賃や食費は毎月同じように出ていくのに、入ってくる金額の見通しが立たない。

ある月に多くもらえても、それが翌月も続くか分からなければ、生活の予定を組めません。

しかもハイヤーの収入は、会社全体の予約の量や、担当するお客様がどれだけ動くかに左右されます。

なかなか自分ではコントロールできない部分が多いです。

自分が頑張った分だけ仕事を増やせる仕組みではないので、不安定な時期は待つしかないことも多いのです。

この「自分ではどうにもならない」感覚が、辞めたい気持ちにつながっていました。

拘束時間が長く、帰る時間を自分で決められない

もう一つは拘束時間の長さです。

ハイヤーの勤務時間は、自分ではなくお客様の予定で決まります。

朝ご自宅へお迎えに行き、日中は待機、夜は会食が終わるのを待ってお送りする。

こうした日は、運転している時間がそれほど長くなくても、家を出てから帰るまでの時間は長くなります。

会食が延びれば帰りも遅くなり、終電を過ぎれば営業所に泊まることもあります。

私も泊まり勤務などで、家族との折り合いをつけるのに苦労した時期がありました。

拘束時間の長さがつらいのは、ただ時間が長いからではありません。

終わる時間を自分で決められないので、仕事のあとの予定も、家族との約束も立てにくい。

そのしわ寄せが自分だけでなく家族にも及ぶところに、この働き方の重さがあると感じています。

この二つは、今も私の中に「辞める理由」として残っています。

不満がなくなったから続けているのではなく、これを上回る理由があるから続けている。

次の章からは、その理由を一つずつお話しします。

▼収入の不安や家族との両立で辞めたくなったときの考え方は、こちらの記事で詳しく書いています▼

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続ける理由①:ハイヤーの働き方に慣れたら、今さら普通の仕事に戻れない

一番大きな理由はこれです。

ハイヤーの働き方が私には楽すぎて、今さら普通の仕事に戻れる気がしません。

ただ「楽」と一言でいっても、何が楽なのかは人によって違います。

ここでは、私にとっての楽さが何なのかを具体的にお話しします。

私にとっての「楽」は、周りに気を張り続けなくていいこと

私は前職の飲食業で、人間関係と忙しさに疲れ切っていました。

ハイヤーに来て楽になったと感じるのは、主に次のような点です。

  • 売上のノルマがなく、数字に追われない
  • 1日に接するお客様が少ない(車庫番でも、実際にお乗せするのは3組前後の日が多かった)
  • 待機中は一人で過ごせる時間がある
  • 請負は直行直帰で、営業所の職員や同僚の目を気にする場面が少ない

共通しているのは、体が楽なことよりも「周りに気を張り続けなくていい」ことです。

一般的な職場では、同じ空間に上司や同僚がいて、手が空いているように見えないか、話しかけるならいつがいいか、と無意識に気を使う場面があると思います。

ハイヤーでもお客様への気配りは欠かせません。

ただ、それ以外の人に向ける気疲れは、前の仕事と比べてかなり少なくなりました。

「普通の仕事」に戻ることを想像すると

「戻れない」と感じるのは、ハイヤーが楽だからというだけではありません。

前の仕事の何がつらかったのかが、はっきりしてしまったからだと思います。

ハイヤーに来る前は、職場の人間関係や忙しさを「働くとはこういうもの」と受け止めていました。

ところが、それが少ない働き方を一度経験すると、あの環境に戻ることを想像するだけで気持ちが重くなります。

ハイヤーにも疲れはあります。

それでも、前の仕事の疲れより今の疲れのほうが、私には受け止めやすい種類でした。

自分に合う疲れ方を知ってしまうと、合わない疲れ方の仕事にわざわざ戻る理由が見つからなくなります。

私が「今さら普通の仕事はできない」と感じているのは、こういう意味です。

ただし、この「楽さ」には条件がある

ここまで読むと「ハイヤーは楽な仕事」と感じるかもしれませんが、そう言い切るつもりはありません。

お客様を乗せている間は、安全運転に加えて、揺れの少ない運転や時間の管理に神経を使います。

予定が変われば待機も延び、帰りも遅くなります。

一人で働ける分、困ったときにその場で相談できる相手が少ないという面もあります。

また、私が楽だと感じている待機時間も、人によっては「何もできない時間が長くて苦痛」になります。

実際、待機の多さが合わずに辞める人もいます。

ハイヤーのメリットにはそれぞれ裏側があり、楽さは「誰にとっても楽」なものではありません。

人に気を張ることに疲れていた人にとって、楽になりやすいものだと考えています。

また、このように感じている人は、ハイヤーを辞めたくなったときに次の仕事選びで迷いやすいかもしれません。

続ける理由になる楽さは、辞めたあとの選択肢を狭く感じさせることもある。この点も知っておいてほしいところです。

▼専属と請負で日々の気疲れがどう違うかは、こちらの記事で詳しく書いています▼

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続ける理由②:普段は入れない場所に行ける非日常感

二つ目の理由は、仕事でなければ行くことのない場所に行けることです。

仕事でなければ入らない場所が「職場」になる

ハイヤーでお送りするのは、企業の役員や経営者などのお客様が中心です。

そのため行き先も、ふだんの生活ではまず縁のない場所が多くなります。

例えば、一般の人は入れない企業の役員用の車寄せや地下駐車場、高級ホテルの正面玄関、料亭、時には首相官邸や迎賓館などに行くこともあります。

自分がプライベートで訪れることはないような場所に、仕事として出入りする。

しかも運転しているのは、クラウンやアルファード、レクサスといった高級車です。

この非日常感は、今も私がこの仕事を続けている理由の一つになっています。

単調になりやすい仕事に変化をくれる

ハイヤーの仕事は、基本的には送迎と待機の繰り返しです。

この単調さが合わずに辞める人もいます。

その中で、行き先がいつもの生活とかけ離れていることは、仕事に変化をくれる要素だと思います。

車庫番であれば日によって行き先が変わりますし、専属や請負でも、お客様の予定によって初めての場所へ向かうことがあります。

仕事の中身が大きく変わらなくても、向かう先が変われば一日の印象は変わります。

非日常は「人に話せない」ものでもある

ただ、この非日常感には条件があります。

一つは、行った場所や見聞きしたことを人に話せないことです。

ハイヤーには守秘義務があり、お客様の行き先や車内での会話を外に漏らすことはできません。

「すごい場所に行った」と家族や友人に話したり、SNSに載せたりすることはできないのです。

もう一つは、自分はあくまで仕事でその場にいるということです。

建物の中まで入れるとは限らず、車寄せや駐車場、車内で待つ時間のほうが長いことも多くあります。

つまりこの非日常感は、人に見せたり話したりして楽しむものではなく、自分の中で静かに味わうものです。

その場にいられること自体を面白いと感じられる人にとっては、長く続ける理由になります。

反対に、高級な場所に行けることを「人に自慢できること」として期待していると、物足りなく感じるかもしれません。

続ける理由③:仕事中に自分の時間があるから、家では家族に集中できる

三つ目は、家族との時間についてです。

待機中の一人の時間が「自分の時間」になっている

ハイヤーの仕事には、お客様の用事が終わるまで待つ待機時間があります。

もちろん次の運行の確認や準備が先ですが、それを済ませたあとは、会社や担当先のルールの範囲で一人の時間を過ごせることがあります。

私はその時間に動画を見るなどして、のんびり過ごしています。

仕事中でありながら、自分のための時間も持てる。

これが、家での過ごし方にも影響しています。

なぜ家族との時間に集中しやすくなるのか

一般的な仕事では、自分のための時間は帰宅後か休日にしか取れないことが多いと思います。

そうなると、家に帰ってからの時間を、家族と過ごすか自分のために使うかで取り合うことになります。

疲れて帰ってきた日に「少しは一人になりたい」と思うのは自然なことです。

でもその間、家族と向き合う時間は減ってしまいます。

ハイヤーでは、一人で過ごしたい気持ちを、ある程度は仕事中の待機時間で満たせます。

だから家に帰ったら、自分の時間を確保しようとせず、家族との時間に気持ちを向けやすいのです。

拘束時間の長さと表裏一体の理由

ただし、この理由は1章で書いた「拘束時間の長さ」と表裏一体です。

待機中に自分の時間を持てるのは、それだけ長くお客様の予定に合わせて拘束されているからです。

帰りが遅くなる日や泊まりの日は、家にいる時間そのものが短くなります。

待機中も、予定が変わればすぐに呼ばれるので、いつも落ち着いて過ごせるわけではありません。

だから私が感じているのは、家族と過ごす時間が「長くなる」ことではありません。

家にいる時間に、家族へ気持ちを向けやすくなる、ということです。

この違いは、家族がどう受け止めるかにも関わります。

帰宅時間が読めない生活を家族が受け入れられなければ、家での過ごし方を工夫するだけでは解決しません。

私自身、家族との折り合いに苦労した経験があるので、ここは仕事を選ぶ前に家族と話しておいてほしいところです。

▼待機時間のメリットと、運転していなくても疲れる理由は、こちらの記事で詳しく書いています▼

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辞める理由と続ける理由は、同じところから生まれる

ここまで振り返ると、私の「辞める理由」と「続ける理由」は、ハイヤーの同じ特徴から生まれています。

同じ特徴でも、受け止め方で意味が変わる

ハイヤーの特徴辞める理由になるとき続ける理由になるとき
仕事が会社から割り当てられる頑張っても収入を増やしにくく、見通しが立たない売上やノルマに追われずに済む
お客様の予定で動く帰る時間を自分で決められない待機中に一人の時間を持てる
一人で働く時間が長い困ったときにその場で相談できない周りの目を気にせず働ける
行き先がお客様の予定で決まる慣れない場所で緊張が続くふだん入れない場所に行ける

※私の経験をもとにした整理で、すべての人や職場に当てはまるものではありません。

私の場合、収入の不安定さと拘束時間の長さは、今も辞める理由として残っています。

それでも、右の列にある「続ける理由」のほうが、私にとっては重かった。

だから続けている、というのが正直なところです。

迷ったら、自分の「続ける理由」も書き出してみる

今ハイヤーで働いていて辞めるか迷っている方も、これから目指す方も、辞める理由だけでなく「続ける理由になりそうなもの」を書き出してみてください。

例えば次のような問いです。

  • 前の仕事で、自分は何に一番疲れていたか。それはハイヤーで減りそうか
  • 待機中の一人の時間を、自分の時間として過ごせそうか
  • 家族は、帰る時間が読めない生活を受け入れられそうか
  • 収入が不安定な時期があっても、生活を続けられる見通しはあるか

辞める理由がまったくない仕事はありません。

大切なのは、辞める理由を上回る「続ける理由」が自分にあるかどうかだと思います。

向き不向きをもう少し整理したい方は、ハイヤードライバーに向いている人・向いていない人の特徴もあわせて参考にしてみてください。

まとめ|辞める理由があっても、続ける理由が上回るなら続けていい

私にもハイヤードライバーを辞める理由はあります。

  • 働き方によって収入が安定しないこと
  • 拘束時間が長く、帰る時間を自分で決められないこと

それでも約10年続けているのは、次の3つの理由があるからです。

  • ハイヤーの働き方に慣れて、今さら普通の仕事に戻れる気がしない
  • 普段は入れないような場所に行ける非日常感がある
  • 仕事中に自分の時間を持てるので、家では家族との時間に集中できる

ただ、どれも誰にでも当てはまる理由ではありません。

人に気を張らずに働けることを楽と感じるか。

待機を自分の時間として過ごせるか。

非日常を自分の中で味わえるか。

家族が帰る時間の読めない生活を受け入れられるか。

こうした条件がそろったとき、ハイヤーは長く続けやすい仕事になると思います。

辞めたい気持ちがあるのは、おかしなことではありません。

その気持ちと一緒に、自分がこの仕事を続けている理由、続けられそうな理由も一度言葉にしてみてください。

続けるか辞めるかを考える材料が、きっと増えるはずです。

動画でもハイヤーについて解説しています

YouTubeでは、ハイヤードライバーの仕事内容や働き方を、図やスライドを使って初心者向けに解説しています。

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この記事の筆者
りょう
りょう
現役ハイヤードライバー
30代、40代、50代からでも最高の転職を!
都内大手ハイヤー会社で働く現役のハイヤードライバー。
前職までは飲食業に従事し、うつ病直前まで疲弊するもハイヤードライバーに転職して人生が劇的に好転。
普段脚光を浴びることの少ないハイヤードライバーという仕事について、いい事も悪い事も赤裸々にお伝えしていきます。
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